2022年04月28日更新

適度な湿度を保つ壁材「エコカラット」とは?

エコカラットは壁材の一つであり、リクシル社から販売されています。材質は多孔質セラミックスで、焼き物の部類に入りますが、この材質は日本の伝統的な土壁をヒントにしたものになります。材質を見ると通常の壁材のように感じますが、1ナノメートルほどの大変小さな穴が開いています。この穴によって空気が出入りし、防臭効果と調湿効果を得ることができます。

エコカラットは調湿効果があるため部屋の湿度を安定することができます。空気にある余分な湿気を吸収し、空気が乾燥すると放出することができるため、湿度を一定に保つことができ、40%から70%程度にコントロールが可能です。ダニやカビは80%を超えると発生しやすくなるため、エコカラットにすることで繁殖を抑制することができます。なお、調湿効果は珪藻土の6倍、専用壁紙の25倍という結果が出ています。

またにおいを軽減することもできます。エコカラットは内装材であるためどの部屋にも配置することが可能であり、トイレにも使用することが可能です。生活における様々なにおいを吸着することができることから、老人介護施設や公共施設、病院にも採用されています。

においを吸着し軽減できる効果があるエコカラットですが、有害物質をキャッチすることもできます。近年の住宅は高気密化されており、のどや頭が痛い、目がちかちかとするなどの症状に悩まされることがあります。これはシックハウス症候群であり、建材や内装材に含まれている化学物質が原因です。

ですがエコカラットは有害な化学物質は含まれていません。さらに空気中に漂っているトルエンやホルムアルデヒドといった有害物質を吸着することができます。吸着効果に関しては厚生労働省のガイドライン濃度を下回っており、効果を持続することが証明されています。

様々な機能を持つエコカラットですが、特別な手入れは必要ありません。ほこりを落とすのみで大丈夫であり、手垢もしくは鉛筆などの汚れがある場合は消しゴムでこすれば落とすことが可能です。ですがデメリットとして水拭きをすることはできません。エコカラットにはプラスと呼ばれるタイプもあるので、水拭きをしたい場所にはエコカラットプラスを選ぶようにします。

耐久性においては半永久的に使用することができます。ですが強い衝撃を与えてしまうとひびが入ることもあります。もともと焼き物であるため一か所に衝撃を与えると割れやすくなるのですが、傷がついたとしても機能的には問題なく使用することができます。専用の補修材もあるので目立たなくすることも可能です。